威風堂々

春から社会人

失恋

こういう話を書き起すのもどうかとは思うがこういう新鮮な気持ちを残すことでなにか得られるものがあるかもしれない。

 

 

初めての失恋をしました。初めてと言っても別に初めて人を好きになった訳ではありません。私も男なので女の人を好きになったことは何回かあります。それでも別に何かアクションを起こすでもなく、見ているだけでした。思えば何も無く過ぎ去って行ってもしょうがないと思えるほどの感情は恋ではなかったのかもしれません。

大学に入ってから私はまた女の人のことが好きになりました。相手はバイト先の同僚です。はじめは今までと同じようにうっすらと好きだなーと思っていただけでした。ただ「かなり好きだ」と気づいたのか至ったのか、そのきっかけはコロナ禍でした。ライブに行くことがなくなり自分を見つめ直す時間が増えました。バイト先に向ける思考が増えました。その中で私はこの人となら一緒にいたいかもという思いに至りました。気の早い話ではありますが私に結婚願望があったのも大きくて、言ってしまえばこの人と結婚したいかも、という思いがありました。もっと言うならここでチャンスを逃したらもうこの先結婚したいと思える出会いが無いかもしれないという思いもありました。

2020年の初夏から2人で食事に何回か行きました。そして8月に告白しました。結果は振られたわけです。ただそれでも諦めきれない。この感情が生まれた時今までとは違うなと思いました。本当の意味での私の初恋はこの人だったのかもしれません。

それから少しぎこちない期間もありましたがまた友達として仲のいい同僚として過ごしてきました。食事も一緒に行きました。3回生の終わりくらいから相手が忙しくなり、そういう機会もなくなりましたが私は相変わらず彼女のことが好きでした。

最初に振られてから私は身なりに気を使うようになりました。眉毛を整え、床屋を変え、ぎこちないながらもワックスの付け方を覚え、ずっと気になっていた眼瞼下垂の手術を受け、少しでも見てくれを良くしようとしました。それでも自分に一切自信は湧かないしもうそういう星の元に生まれてきたのでしょう。イケメンに生まれたかった。

そんなこんなで時は過ぎ今に至ります。私も4回生になり、就職を控えてバイトを辞める時が来ました。彼女は院に行くそうでバイトを続けるみたいです。

バイト最後の日に自分の気持ちにケジメをつける意味でももう1回告白しようかなと思っていました。結局は告白しなかったけどケジメはつきました。しなかったのも何個か理由はあるのですが1番は早く相手が帰りたそうにしていたからです。勝算云々で告白を考えていた訳では無いですが、色々な行動の端々からまあ何も無いだろうなと悟って自分の中で納得したので。一昨年振られた時には家で泣きました。自分の惨めさが本当に辛くて。私の人生の転換点の1つでした。でも今回はバイトを辞める瞬間も含めて泣かなかった。私の心の中では実は既に終わっていたのかもしれません。

 

 

向こうからしてもバイト先で12を争うくらいには仲のいい同僚ではあったと思います。多分友達でもあったとは思います。でもどこまで行ってもそれで止まる存在として認識されていたんでしょうね。他の人との接し方を見ていていろいろ悔しいこともありました。私だけにする態度みたいなのもあったように思うのですが、今思えばそこに表れている親密さはきっと友達に対するもので恋愛対象に対するものではなかったのでしょう。

 

私自身が結構特定の人に執着する嫌いがあるのはもう明らかな事なんですが、バイトしていた後半の2年間は本当にその人に執着していました。その人とシフトが被れば露骨にやる気が上がるし、逆にいない日はテンションが低い。自分のレジに買い物に来てくれたら嬉しい。その人が他の男の同僚と話していればモヤモヤする。でも実際にこうやっていろんな意味で終わった今となっては気持ちも落ち着いています。確かにいい人ではあったけど100点満点でこの人しかいないって訳ではなかったなとも今では思います。盲目になっていたんでしょうね。いい人だったのは間違いないです。欠点もそりゃ見えていましたけどそれを含めても本当に好きだなと思える人でした。でも別に世界の全てではなかった。真面目な人ほど一途みたいな話はありますが自分で言うのもなんですが実際そうなのかもしれません。

 

それとは別で多分私はこれが終わったことでいよいよ本格的に独身のまま生きていくルートに入ったと思います。私自身の性格からしても多分本当に相手のことを知って好きになった人としか続かないのでお見合い結婚やマッチングアプリといったもので繋がることはできないでしょう。あるなら恋愛結婚ですが、多分普通に社会人生活を送っている分にはそういった出会いはない。私自身にアクションを起こす意志がないので結婚なんて夢のまた夢でしょう。そもそも妥協して結婚するくらいなら独身でもいいかという境地に至っているので理想が高いこともあります。

 

 

本題に戻ります。恋愛は人を成長させると言いますが、これは確かにそうかもしれません。まず前述の通り身なりに気を遣うようになりました。そんなことは人間として最低限のことなのは確かですが、ダメ人間がある程度真人間に近付く機会になりました。次に精神的に成長しました。相手にどう思われるかといったことを今まで以上に考えるようになりました。ストレスも大きかったですが、これに耐える忍耐力や精神力も身につきました。告白というのも大きい経験でした。一度やったことがあればまあ仕方は分かるようになるのかもしれません。

 

 

私は小中高大とずっと共学で生きてきて、恋愛経験もろくにない駄目人間なので次があるかは分かりませんが、今回の反省は今後の人生に活かしていきたいと思います。それとは別になんだかんだ総括して楽しい3年間を過ごさせてくれたその女性に感謝したいです。ありがとうございました。

 

そして誇れる生き方をしたいなと思いました。最後は色々辛くて死にたいというような気持ちにもなりましたが、生きていかなきゃいけないならそれこそモテるような、金を持っていて多趣味で頭がいい社交的な人間を目指したいなと。とにかく私の人生観はこの2年で大きく変わりました。もう22か、まだ22か、少なくとも高校生ほど何もかも簡単に取り返せる年齢ではないとは思いますが、まだ若い。これから可能な範囲で自分の生き方を修正していきたいです。