威風堂々

春から社会人

不安

将来に対する不安というものは常にある。中高生の頃からぼんやりとは抱いていたが、やはり大学生にもなり、しかも大学生活も折り返してしまったわけであと少しで社会人になると思うとその思いはさらに強く、現実的なものになってしまう。

「将来」とひと口に言っても仕事だったり、結婚だったり、老後だったり、いろいろある訳だが、私が最近殊更気にしているのは結婚である。結婚というのは遠いものだと思っていたが、もう21にもなり、結婚する人も出てくる年齢である。大学生から続いたカップルが結婚するというのも恐らく珍しい話ではない。そういう意味で今が結婚とそれなりに結びついているという感を受けるのだ。

そもそも私は昔結婚願望が強い方ではなかった。別に結婚なんてしなくても生きていける、他人のために自分の時間やお金を使うなんて無駄だ、そう思っていた。だが少し歳を重ねるにつれ、一人で生きていくことの辛さというものを想像するようになった。

私は一人っ子なので、両親が死んでしまえば他に頼るものは無い。従姉妹達とは疎遠だし、近くに住んでいる訳でもないから頼れる親類というものがいないのだ。日本人の平均寿命は80~90くらいだが仮に親が90まで生きたとして、私が80で死んだとしても、20年間は親がいない世界で生きていかなければいけない。そうした時誰かが傍にいないというのはものすごく辛くて不幸なことに思える。それが直接的に結婚願望と結びつくのかと言われれば違う気もするが、やはり分かりやすいのは結婚して、配偶者と子供がいるという状況だろう。少なくともこれならば一人ではない。そういうことを考えた時やはり就活はなんとかなっても結婚が何とかなるビジョンが見えなくてどうしようもない不安に襲われるのだ。

生涯独身という人も増えているらしいがそういう人たちもきっと充実しているのはせいぜい若いうちだけで、老後になったら寂しい人生を送るんじゃないかと思ってしまう。そういう訳で私は結婚できないならさっさと死んでしまいたいと思う。正直さっさと死んでしまいたいのは根底にあるのだが、結婚したら何か価値観が変わるかもしれないのでそこは保留です。

まあこの不安を解決する一つの策にシェアハウスみたいなのがある訳だが、ロンリーホームならともかく、結婚できない独身オタクを集めたシェアハウスなんて地獄である。さながら刑務所だ。

友達関係というものがずっと続けばそれもいいと思う。だが仮に友達がみんな結婚していった時、学生時代の独身の友達に構ってくれるだろうか。私はそうは思えない。多分各々が各々の生活で精一杯で他人の世話なんてしている余裕はないように思える。

大学生同士の恋愛は始まり方というのが割と想像がつきやすいように思える。出会いも多いだろうからだ。だが社会人になってからは私の拙い想像力では社内恋愛くらいしかビジョンがないように思えてしまう。そうすると結婚なんて無理なんじゃないかと思う。

そんなことを考えていると周りが呑気に「彼女欲しいー」とか言ってるのが私は不思議でならない。私はそれなりに焦りを持ち始めているしこのままだと一生結婚できない気がしているから割と切実なのだ。焦ってもいいことはないし価値観が合わない人と一緒にいてもしょうがないのは分かるが、それでもやっぱり1人よりはマシに思える。

もう少し歳をとると「この人がいい」から「この人ならいい」みたいな恋愛観の人が増えるみたいな話を読んだことがある。きっと今の私みたいな考えの人が増えてくるのも一因なのだろう。そうするとまだ焦る頃合でもないとも言えるが、私は別にスペックが高い訳でもないから待っているだけで何かが変わると思えない。現実は厳しい。