威風堂々

春から社会人

大学を辞めたいが辞められないので大学の方が存在することをやめてほしい

今日は万城目学氏の講演会を聞いてきた。万城目学氏と言えば京大法学部を卒業された先輩にあたり今回の講演も法学部の同窓会組織の企画だったらしい(明らかに文学部などの生徒がたくさん潜っていたが)。私も京大なんて目指していなかった頃に純粋な興味で『プリンセス・トヨトミ』と『鹿男あをによし』は読んだことがあるし面白い小説だった。私は現代作家の小説はあまり読まないのだが何のめぐりあわせか、京大出身の貴志祐介氏や万城目学氏の作品は読んだことがあり、京大に入ったときに感慨を覚えたことを記憶している。さて、講演の感想から言えばとてもすばらしかった。さすが作家は話も面白いんだなあととても感心してしまった。

 

万城目氏は大学からの帰り道に東一条通で感じた空っぽな感覚を文章にしようとしたことをきっかけに3回生の秋に小説を書き始めたらしい。この時点で文学的だ。結果万城目氏は1年かけて処女作を書き上げ、1留して就職したという。だが就職後も文章を書く練習を続け、会社を辞めていよいよ貯金が尽きようというところで入賞し、デビューした(ここら辺はWikipediaにも書いてある)

 

私は面白い小説を書く上で「自分を消さなければならない」という話が印象に残った。作家は自分の書きたいことを書くために執筆を始めるのだが、自分のことが作品に投影されすぎているうちは面白い作品はできない。大体の作家は練習を通じて7年ほどたってようやく自分を排除できるようになりようやく広く評価される文章が書けるのだという(そうして生まれたのがデビュー作『鴨川ホルモー』だとおっしゃっていた)

 

私も技能は置いておいて文章を書くのは嫌いではないし昔は簡単なストーリーを考えたりもしていたがやはり面白い文章を書くというのは難しい。なろう小説などを読んでいても面白い作品はとことん面白いが、つまらない作品は本当につまらない。それでも当人はきっと面白い、よくできたと思って投稿しているのだから残酷だ。

 

作家は才能のある人が天から降ってきたアイデアを文章化するような仕事なのだと思っていたし実際そういう人もいるらしいが、やはり才能のある人も努力の結果ようやく素晴らしい作品を書けるようになっているのだと知って何となく安心した。

 

私も最後のモラトリアムと言われる大学の4年間(もう残り3年半だが)でなにか真剣に頑張ってみようかなと思いなおすきっかけにもなった。絵とか文章とか練習してみようかしら。

f:id:stella-l:20181011233334j:plain