威風堂々

春から社会人

プリキュアの秋映画が素晴らしかった

『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』見てきました。非常に素晴らしかったです。

 

今作は現在のトロピカル〜ジュプリキュアと11年前のハートキャッチプリキュアのコラボ映画として制作されました。直近3世代コラボやオールスターは今までに何度か制作されてきましたが、2世代コラボ映画としてはこれが2作目で、1作目というのが半年前に公開されたヒーリングっどプリキュアプリキュア5とのコラボでした。

 

そして半年前に私はこのヒープリとプリキュア5の映画を酷評しました。実際この映画は褒めるところがプリキュア5を出したところしか無かったような出来でしたし、そのプリキュア5も噛ませのような扱いでむしろ出ない方が良かったとまで思ったくらいです。私の中でプリキュア5は1番好きで初めて見たプリキュアで本当に大切な作品なので思い出を汚されたような気さえしました。

 

それに比べて今回の作品は本当に文句のつけ所がないほどに素晴らしかったです。

 

まず絵について。ハートキャッチプリキュアは絵柄が独特で他とは一線を画しているのですが、うまくトロプリと溶け合っていました。普段の絵柄はトロプリの中に落とし込まれた絵柄で、変身バンクやプリキュアとしてのシーンはかなりハートキャッチの絵柄に寄せられていたように感じました。

 

次にハートキャッチプリキュアが先輩として尊重されていた。今の子供にとっては10年前の知らないプリキュアかもしれませんが我々にとってはリアルタイムで見ていた思い出補正の乗ったプリキュアです。特にハートキャッチは出来もよく評価も高い。

その中でちゃんとハートキャッチは少ないながら見せ場もあり、やられるだけの噛ませでもありませんでした。確かにトロプリに花を持たせるために1度捕まりましたが、これはむしろラメールが足を引っ張った結果とも言え、「ハトキャが負けた」という形ではありませんでした。半年前の映画では5があっさり負けて敵に捕まっていました。これも許せないポイントだったので改善されていたのが良かったです。

そしてあくまでメインがトロプリであるということで先輩として「ここは私たちに任せて先に行きなさい!」という定番の場面もありました。

そして細かいところでも、ブロッサムの「私堪忍袋の緒が切れました!」や、マリンの「海より広い私の心もここらが我慢の限界よ!」、それにブロッサム(つぼみ)が心の花の花言葉を解説すると言った当時の名シーンが織り込まれていたり、ブロッサムの必殺技であるところのおしりパンチをみんなで繰り出したり、極めつけはトロプリがとどめを刺す必殺技がハートキャッチでラスボスのデューンを倒した際の無限シルエットのような感じでした。これには当時小学5年生、現在大学4年生の懐古厨も涙を禁じえませんでした。

 

そして何よりストーリー構成が素晴らしかったです。最後敵ポジションだったシャロンは消滅します。ただ元々悪という訳ではなく可哀想な存在でした。最後も和解します。それでも消滅するのです。これはハートキャッチプリキュアでサバーク博士や三馬鹿(三幹部)が消えていったのと重なります。

前回の映画との比較でいえば半年前の映画は完全な悪役が和解した後生存します。これだけは許せなかった。プリキュア5は当時の鏡の国の映画でダークプリキュア5と戦いわかり合い、それでも助けられずにダークプリキュア5は消えてしまうのです。ここは屈指の感動シーンでした。それがあっさりと春映画で生存してしまった。これだけは絶対に許してはいけないしこれを許したらプリキュア5が可哀想すぎます。そういう意味でもプリキュア5が蔑ろにされていた本当にクソみたいな映画でした。

救えない存在はちゃんと救えない。何でもかんでも救済するという姿勢ではなくちゃんと消滅するストーリーというのが良かったです。コラボ映画である以上は前の作品もちゃんと尊重して然るべきだしこれが当然と言えなくもないですが、前が酷すぎたので。

コラボ映画という点を除いてもローラの女王候補設定がちゃんと生かされているなど、よくできていたストーリーでした。

 

ハートキャッチやトロプリは両方コミカルさという点で共通していますし、この2作品には非常にシナジーがあると感じます。コラボ映画という点では100点満点で120点をあげたいほどに素晴らしい映画だったと言えるのではないでしょうか。みなさんもぜひ見に行って欲しいです。