威風堂々

春から社会人

ハートキャッチプリキュア

久しぶりにハートキャッチプリキュアを見たんですがやっぱりいいものはいい。2010年2月から始まった作品なので今年でちょうど10周年なんですよね。主演の水樹奈々さんは30歳だったのにいつの間にか40歳になってるし、まだ辛うじてプリキュアを見ることが社会的に許容されていた小5の私は20歳のプリキュアおじさんになった。時間の流れは恐ろしい。このブログを主に読む人達は多分ハートキャッチくらいにはプリキュア離れしたような世代だと思います。

そんな話は置いておいて、このハートキャッチプリキュア、個人的な好きなプリキュア作品ランキングかなり上位です。1位は再三言ってますけどプリキュア5です。キュアレモネードは神。当時18歳だったキュアレモネード伊瀬茉莉也さんは今やもう32歳になり、結婚して母親になりました。人生が辛い。

 

話を戻しましょう。ハートキャッチプリキュアってめちゃくちゃ面白い上に画期的な作品なんですよね。いろいろありますが、まず話がクソ重たい。ネタバレになるのであまり言えませんが終盤の重さが完全に女児アニメでは無い。プリキュアにおいて味方が死んだ初めての作品です。と言っても血を流したりするのは流石に女児アニメとして適していないので(キュアハート (きゅあはーと)とは【ピクシブ百科事典】)消滅という形態をとります。プリキュアにおける消滅は死のメタファーなので実質死です。しかも2回死にます。制作陣に人の心がない。トラウマを植え付けに来ている。

プリキュアシリーズには幹部とは別に毎話登場する怪物がいます。ザケンナー、ウザイナー、コワイナー以下略。ハートキャッチプリキュアの怪物はデザトリアンと言いますが、これがシリーズ初めて人間を利用する怪物なんですね。例えばプリキュア5のコワイナーは仮面を付ければ無機物だろうと有機物だろうと関係なく怪物になっていました。ただこのデザトリアンは素体の人間に嫌なことがあって心の花が萎れたのを利用してデザトリアンにするんですね。そのせいでハートキャッチプリキュアは今までの作品と毛色が違って、各話その素体の人間やその関係者のエピソードに重きを置いてそれに関わるプリキュアたちという形で話が進んでいきます。主役はプリキュアなのですが物語が全てプリキュア中心に進んでいかないという意味で画期的でした。その分この作品は割と心情描写が丁寧なんですよね。余談ですがGO!プリンセスプリキュアの怪物も人間を利用するのですが心の隙なんて無くても勝手に怪物の素体にされます。しかも掘り下げがなくて登場して5秒で怪物にされることも少なくありません。マジで人の心がない。そしたらまだハートキャッチプリキュアは良心的。

あとキュアマリンの人気の高さも大きな要素です。キュアマリンは顔芸もするし、嫉妬もするし、部屋は片付けられないし、夏休みの宿題はやりません。プリキュアらしくないですがまあそこが愛される所以でもあります。私もキュアマリン大好きです。一言で言えば彼女は馬鹿です。

プリキュアを通して成長するというのが基本的なプリキュアシリーズの枠組みなんですが、主人公の花咲つぼみは最後まで引っ込み思案なプリキュアらしくない女の子のままです。こんなピンクは後にも先にも現れないでしょうね。史上最弱のプリキュアの汚名も結局そそがれていないように思います。花咲つぼみが変わったのかという話をすればそれはプリキュアのおかげではなく、来海えりかと、月影ゆりとの関わりの中で変わったと論じる方が適切です。この作品はプリキュアとして成長したのではなく、人間関係の中で成長したという点でやはり異色なのかなと思います。

ハートキャッチプリキュアの評価は世間的にも高いと思っているのですがやはり1番はストーリーの質でしょうね。プリキュアと世界との関わりというのが今までより強く意識されているように感じます。dアニメストアにもこの間追加されたばっかりですし時間のある時に見てほしいです。